先週の1月19日〜20日の2日間、県の花き生産振興研修会が開催され、1日目に行われたパネルディスカッションのパネラーとして、JA上伊那花き課の吉澤栄二調査役にお越しいただきました。(別添写真)
これまでこの研修会は、試験研究の担当者や外部の方に講師をお願いし、講義方式で行うというのが一般的で、パネルディスカッションというスタイルは、今年が初めての試みでした。
当日のテーマは「長野県花きの目指すもの(ちょっと大きすぎ?)」で、パネラーにはFAJの佐無田取締役、なにわ花いちばの矢野主任、花屋さんである大阪フラワーガーデン炭田氏に、吉澤さんを加えた4名をお願いしました。
進行役であるコーディネーターを務めさせていただきましたが、市場関係者や花屋さんから、最近の流通情勢をお話しいただいたあと、吉澤さんから、これまでJA上伊那が取り組んできた等階級の見直し、湿式縦箱輸送、集出荷体制の見直しなどの内容をご紹介いただきました。消費者が何を求めているかに軸足をおいた事例に加え、「足で稼ぐことの大切さ」「ピンチを逆にチャンスに」など、農家と接する技術者の皆さんに大いに参考になるアドバイスもいただきました。
これからの共選産地の目指すものという話の中では、販売先や規格の見直し、輸出の検討などJA上伊那としての将来展望とともに、自分たちで壁を作らず、協調できるところは協調して、産地間の連携を深めていくことの必要性も提言いただきました。
お話しを聞きながら、筋が通った話の内容に感心させられるとともに、考えたことがすぐに実践できる周りの体制が整っていることも、JA上伊那の強みだと改めて感じました。
上伊那にいたことのない普及センターの担当者は、JA上伊那の取組や吉澤さんをよく知らなかった者も多く、研修会後の感想を寄せたメールの中には、「吉澤さんの下で働いてみたい」などというものまでありましたが、「余りにも危険だから」ということで思いとどまらせました。(管理者注:正解です)
時間が1時間半と短く、聞いていた方にはちょっと物足りなかったかもしれませんが、パネラーの皆さんの協力により、何とか初めてのパネルディスカッションを終えることができました。JA上伊那並びに吉澤さん、ご協力ありがとうございました。
余談ですが、会場となった県庁講堂の壇上は音響が悪く、お互いの声があまり聞き取れない中でのパネルディスカッションになりました。事前の打ち合わせで簡単な流れを確認しておいたため何とかなりましたが、突然の質問には互いの口元を見て何とか乗り越えました。来年パネラーをやる方は、読唇術の勉強をしておいたほうがいいかもしれません。

写真は振興研修会の様子(左端が平谷専技)
文: 平谷 敏彦(長野県農政部農業技術課専門技術員)
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