JA・生産者の皆様、読者の皆様、3月の人事異動により伊那園芸駐在で上伊那の花(と野菜)を担当することになりました北原直俊と申します。
前任地の東京販売事務所で花き担当としてJA上伊那の皆様との取組ませていただきましたが、本当に充実したものでした。私が東京にいた5年間は、ネットによる事前販売、湿式輸送など毎年花きの流通事情が変わっていくような状況でした。また、平成8年ころから兆候はありましたが、競合産地・輸入の増加と消費の停滞・需要の変化により完全に買い手市場になってきました。
日本でも早く花きに取り組み、夏場の産地として圧倒的な影響力をもってきた長野県産地にとっては、時間前販売や湿式輸送への対応も楽ではありませんが、それ以上に、買い手市場であることを意識して取組んでいるかいないかが大きな違いだと考えています。
買い手市場の状況の中では、お客様の視点でものを考え、その中で産地に利のある方向を見いだすことが肝要なのです。輸入商社は商社的な感覚で利害を読むことに長けており、振興産地は市場の言うことを素直に聞き入れるところからスタートしているので、対応が柔軟です。したがって、市場にプレッシャーをかけたり、出荷数量を操作することで有利に販売するという従来の長野県の手法には限界が来ていました。
こうした中でJA上伊那はいち早くお客様の視点での生産販売体制の構築を目指していましたので、実需者からの評価が上がるという形で結果もついてきていました。似たような取組みでも根本的な意識が違う産地とでは、結果も違ったものになっています。
今後もJA上伊那をさらに進化させるよう、月並みですが、伊那駐在では生産振興も含めて産地の皆様と一体となってがんばりたいと思いますので、よろしくお願いします。
文: 北原 直俊(JA全農長野伊那園芸駐在所係長)
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